パラリンピックでも手技療法を継続
国際医療チームが引き続き治療提供へ
オステオパシー部門に日本人初選出
国際パラリンピック委員会(IPC)は、リオ五輪に続き、選手村総合病院で『COPS形式』を採用する。COPSは、カイロプラクティック、オステオパシー、理学療法、スポーツマッサージの頭文字から由来。国際オリンピック委員会(IOC)でも世界基準の選手が求める医療とする再採用が世界から注目されている。近年の世界大会の治療チームにおいて、この黒子役は必要不可欠である。COPS形式採用の理由に、経済的理由から脆弱な自国の医療チームしか持たない選手への貢献が挙げられる。2012年ロンドン五輪・パラリンピックにおいて、初の複合理学療法サービスが実現された。その際、COPS は得意分野を活かした治療をそれぞれが分担したことで優れた医療提供を可能とした。その治療を受けた選手の中には、金メダル獲得で自国のヒーローになった人物も存在したのである。オステオパシーは現在注目されている手技療法の一種で、欧米諸国では医療資格として認可されている。一見他の療法と似ているが、一番の醍醐味は、解剖生理学に沿って根本治療を目指すところ。特徴的な哲学と原則に基づいた療法で、その治療により、身体が本来持つ機能性を取り戻し自己回復を促す。また他の医療と組み合わせても副作用は稀で、スポーツ選手はもとより万人への効果が期待出来る。今日の国内法に従うと、民間療法とされる手技療法の医療チーム参入は、懐疑的かもしれない。それでも、IOC・IPC選手からの要望により2020年度も継続採用される可能性がある。現在、五輪・パラリンピック開催中のブラジルでも政府は職業としては認めているが民間療法の位置付である。しかし今回もCOPS形式が採用され、数十名のオステオパスが参加している。パラリンピック医療チームでは初の日本人オステオパス2名が選出され、その活躍が期待されている。関係者によると、8月初めに東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の役員が、現地視察に入った。五輪選手村総合病院では、医療チームの声をヒアリングしたという。そこで、従来の日本方式に当てはまらない世界基準の医療形態を目にしたに違いない。4年後の東京で、世界基準の医療提供で選手を満足させるおもてなしは出来るのか。東京五輪・パラリンピック組織委員会と日本政府がフルコースを提供出来るかで采配が決まるだろう。
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